人気声優・竹達彩奈のみずみずしい感性がほとばしる、オリジナル朗読 CD 『ふしぎ工房症候群 Premium 2 「居場所をください」』 ── その中で語られなかった「親友」との友情を描く新展開のアナザーストーリー、ドラマ CD 「あの日の約束」。
「約束」をキーワードに進められる緊迫したストーリーと裏腹な、和気あいあい、そして竹達&MAKO大暴走 (!?) のキャストインタビュー、全文掲載!

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★ インタビュー内容 ★
1. 今回のドラマCDについて、主人公役の竹達彩奈さんにお聞きします!
2. 収録の感想をお聞かせください
3. ご自分の演じるキャラクターについて、大木さん、能登さんはどのように感じましたか?
4. もし皆さんがふしぎ工房に迷い込んで、願いをかなえてもらえるとしたら、何をお願いしますか?(相応の対価は取られますが…)
5. 「女の子の友情とは『○○』である」と定義するとしたら?
6. 物語を読んだ感想と、そこから何が汲み取れたかを教えてください
7. 聞いていただく皆さんにひと言お願いします




──皆さん、収録お疲れ様でした。それではよろしくお願いします。
一同 お願いしまぁす。

──竹達さん、自分の朗読された作品がドラマCDになった感想をお聴かせください。
竹達彩奈さん(「私」役。以下竹達) 朗読CD「居場所をください」は、家族との関係で悩んだり傷ついたりする女の子のお話だったんですが、自分の分身みたいな気持ちで演じさせていただいたので、2作めができたということも、また「私」を演じることができたということも、すごく嬉しかったです。
今回のドラマCDは、朗読CDとは別のストーリーなんですが、「『私』はこんな経験もしてたんだな」ということが分かって、ちょっと胸が詰まりました。

──朗読CDでは、作家の竹内先生と、台本を書く段階で色々ディスカッションされたそうですが、今回は?
竹達 いえ、今回は全部お任せでした(笑)

──では、出来上がってきたシナリオを最初に読まれた時の印象はいかがでしたか?
竹達 すごく、胸が苦しくなりました。
前回の朗読CDもシリアスなお話だったんですけど、人が生きたり死んだりすることについてはあまり触れられていなかったので。今回は特に人の「生きる」「死ぬ」ということについて、結構瀬戸際なところを描いたお話だったので、読んでいて、すごく苦しいなぁと思うところが沢山ありました。

──前回は初めての朗読で「私」という人物を演じたわけですが、朗読の時に学んだことを今回のドラマCDに発揮することはありましたか?
竹達 朗読とドラマCDは表現が全然違うので、技術的な面で活かせたことがあるかは分からないです。
でも「居場所をください」で得た経験というか、「私」を演じた記憶や土台があってこそのドラマCDで……彼女の人生をかいま見た、またその先の人生が描かれていたので、より深く、人間らしさを表現できたらいいなって思いました。
それはたとえば汚い気持ちだったり、悩みだったり苦しさだったり、でもちょっとした幸せだったり……そういった細やかな人間らしさを、自分なりに一生懸命表現できたらいいなと思いながら、演じさせていただきました。

──ありがとうございます。

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「私」

──では、共演者の皆さんにも、今回の収録についての感想をお聞かせいただければと思います。

大木民夫さん(「ふしぎ工房の老人」役。以下大木) 原作の堅固な骨格の上に、瑞瑞しく肉付けされた素晴らしい作品。
出演者一同適度な緊張とアガリの中で、併し楽しく演じられたと思います。
能登麻美子さん(「ふしぎ工房の少女」役。以下能登) どこかに本当にふしぎ工房が存在するのではないか……、そんな気持ちを抱かせてくれる作品だなと思いました。
現実の中であると思えるだけで少し余白が生まれるような……。
物語を追いかけながら、そんな風にも感じました。
吉田真弓さん(「私の兄」役。以下吉田) 今回、私は看護師さんや「彼女」の友だちなど、色んな役をやらせていただいたんですけれども、その中でのメインは、竹達ちゃん演じる「私」のお兄ちゃんの役でした。
出番的にはそんなに多くなかったんですが、「私」や「彼女」の人格が形成される上での、キーパーソンになる役どころだったと思います。
でも出番のシーンは、まだほのぼのとしたシーンだったので、かわいい妹が二人いるような気分で、楽しく演じさせていただきました。
MAKOさん(「彼女」役。以下MAKO) 朗読というか、真面目に喋るシーンが多くて……
竹達 うんうん(笑)
MAKO 今までアニメや、女の子が笑ったりはしゃいだりしている作品に出ることが多くて、こういう重いテーマを抱えた作品は初めてで。だから自分に出来るかなぁ、とドキドキしていたんですけれども、収録では竹達ちゃんとの掛け合いの中で、竹達ちゃんがそういう演技や表現をするなら私はこういうふうにやってみよう、とか考えながら進めていきました。
お話の最初は二人とも5歳で、最終的には20歳、というふうに、一つのお話の中ですごく年齢幅があったので、お話が進んで年齢が上がっていくにつれて、作品の中の「私」と「彼女」みたいに竹達ちゃんとも仲良くなれたような、呼吸が合っていったような気がしました。
てらそままさきさん(「彼女の父」役。以下てらそま) ドラマCDのような作品だと、たいがい、「少し楽しくやろう」って思ったりもするんですけど、今回はシナリオを全部読ませていただいたら、そうも出来ないなと感じました。
役柄として、大人、そして父親としての立ち位置をしっかり演じないといけないなと。
そしてそれを「私」と、自分の娘(「彼女」)に、お芝居の中で感じてもらえればいいなと思いながらやりました。
MAKO かっこよかったです、お父さん。
てらそま おちゃらけるわけにはいかなかったからね(一同笑)。
隙間があったら、と思っていたけど、それも無理だった(笑)ええ、ちゃんと取り組ませていただきました。

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──大木さんと能登さんにお伺いします。「ふしぎ工房」の住人である、ご自分の演じるキャラクターをどのように感じていますか?

大木 「後払いの成功報酬で幸せを売る。」という大変な役柄です。大いに責任を感じています。
能登 とにかく謎に包まれて いてどういう人物なのか気になっています(笑)
外見は子供でも相当に大人の心を持った人だと思うので、その生い立ちや老人との関係性等、今後紐解かれていくのかどうか楽しみです。

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──では、もし皆さんがふしぎ工房に迷い込んで、願いをかなえてもらえるとしたら、何をお願いしますか?

MAKO 私は将来死ぬ時に、痛くも苦しくもなく死ねますようにって(一同笑)
てらそま それ俺が言いたかったんだ(一同笑)
MAKO 今は毎日が楽しいし、色んなことがあっていいけど、とにかく一番心配なのがそこなんです(一同笑)
てらそま 心配性なんだね……。僕なんか、まさにそうですね(笑)。肉体には自信があったんですけど、何だかちょっと、そこやここなんかが痛み出してきたんで、是非そういうのがない肉体にしていただきたいと思います(笑)。
あとそれから、「夫婦仲良く」……この夢を叶えていただきたいです。
MAKO あの、「私は結婚したい」で!(一同笑) ……え、真面目なことを言っていいですか?
私、父を亡くしてるんですけど、その時仕事していて、でも仕事が終わっても会いに行かなくて、結局死に目に会えなかったんです。反抗期のままお父さんが亡くなっちゃったこと、今では申し訳ないって思っていて……だから、時間をさかのぼって、死に際に手を握ってあげるとか、してあげたいな。
大木 小生如き超高齢者は、かなえてもらえるとしたら死ぬ迄仕事を続ける事でしょうか。
能登 私はふしぎ工房で、老人と少女とお茶を飲みながら話をしてみたいです。
対価どれぐらいかによりますが(笑)
吉田 ……代償に何か持って行かれるんですよね?
竹達 怖いね、それ。何を頼んだら何を取っていかれるのかな……。じゃあ、軽く言えないね。
吉田 ね、うかつに書けない(笑)。私はそこで何も願わなくていいような人生がいいです(一同笑)
竹達 私は……、昔のお母さんとお父さんに会いに行きたいです。若かった頃の二人がどんな生活をしてたのか、実際に見に行きたいな。
てらそま 結婚した当時とか?
竹達 そう。当時はどんな生活だったんだろうとか、私が生まれた時どんな顔してたんだろうとか、どういう理由で結婚したんだろうとか。結構不思議に思うことが多いので、見に行きたいです。私はお母さんが大好きだから。
お母さんが言うことって間違いがなくて、私が間違ってると正してもらえるんです。私は、自分から何かやろうとすると絶対に失敗するんですよ。でもお母さんが何か言ってくれることで、正しい方向に向かえるんです。
それはやっぱり、色んな経験や、色んな思いをしてきたからこそ出来ることだと思うので、間近でそういう、母の人生を見たいなと思います。
吉田 いい話だねぇ。

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──今回は女の子の友情を描いたお話でしたが、「女の子の友情とは『○○』である」と定義するとしたら?

MAKO 女子の友情って年齢によってすっごい違うと思います。この作品ではこじれちゃったのが17歳の頃ですけど、その頃までって、やっぱり難しいですよね。……難しくない?
竹達 めんどくさかったからなぁ……(女子笑)。いや、全然普通の共学だったんですけど、無駄に一緒にトイレとか行きますよね?
MAKO うんうん(笑)
竹達 昼休みに「トイレ行こ」とか誘われて。「一人で行けないの!?」みたいな(笑)
MAKO うんうん(笑)

──女子の友情は「メンドクサイ」と?

竹達MAKO うーん(笑)
竹達 いや、そこまでじゃないんですけど
吉田 かわいさ余って憎さ百倍ですね。
竹達 女子の友情って、難しいですよね……
吉田 でもそういうメンドクサイ部分って、多分何歳になっても持ってる人は持っていて、サッパリしてる人はサッパリしてると思う。顕著に出るのは子供時代だったけど。
竹達 高校生ぐらいとか?
吉田 でも、大人になってからの女子の友情もねぇ……
竹達 (溜め息)やっぱり怖いかも……(一同笑)
てらそま 男は単純だから、喧嘩してもすぐ仲直りできたり、その場でやり過ごしたりもできるんだけど、女性ってやっぱり、喧嘩して絡みあっちゃうと、なかなか大変なことになりやすいよね。
でもそういうこじれた関係を正していけたら、今回の作品みたいに、もう一度再生していけるんだろうなと思う。そもそも人間同士、仲良くするっていうことはなかなか難しいからね。
大木 男の友情と変わらないと思います。
竹達 私も、女子も男子もそんなに変わらないと思います。
粘着質って、女子だけじゃなくて男子にもいると思ってるので、一概に「女子だから」みたいな感じには、言えないところもあるんじゃないかなって。
もちろん女子には、誰でもこう、何となくネチネチしたくなる年頃があるんでしょうけど、成長して大人になるにつれて、そういう部分をなくしていったり、抑えていったりするんだと思う。だから、自分がどういうふうに、自分よりも成長している人に出会えるかっていうところは、人生の課題かなと思います(笑)
吉田MAKO うんうん。
竹達 嫌な思いとか、いっぱいすることもあるけど……(苦笑)
吉田 何だかちょっとリアルだね(苦笑)
MAKO 二人ともそんなに辛いの!?(女子笑)
吉田 女の子の友情っていうテーマ自体がリアルだからね(笑)
竹達 うん(笑)。嫌な思いとかもするけど、でもその中で、いかに素敵な人間と出会えるかっていうことが大事だなと思います。
MAKO いっぱい出会っていかないと分からないもんね。人ってね。
能登 私は友情を育める相手がいること自体が幸せだなと思います。
女の子の友情は深く関われると、それこそ身内に近い感覚を持てる時があるのかなって思います。
吉田 私、もうちょっと綺麗なこと言っといたほうがよかったかなぁ……「砂糖菓子です」とか(一同笑)

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「彼女」

──では、物語を読んだ感想と、そこから何が汲み取れたかを教えてください。

大木 「自分との折合い」「問題の落とし所」をどう着けるか。人生の難しい一面を見る思いです。
能登 ラストに驚きました。こういう終わらせ方はとても新鮮で、生々しいなと。
ラストを踏まえて、最初からまた物語を噛み締めたいと思いました。
吉田 竹達ちゃん演じる「私」が、大変な人生を背負っている女の子だな、と。自分は「私」ほどの辛い経験をしてきたわけではないので、「私」の気持ちを全部汲み取るのは難しかったんです。
でも、「彼女」との友情に関しては、私も学生時代に親友との関係で葛藤があったりしたので、あぁ、解るなぁと思いましたね。子供の時は子供の時の無邪気な友情で、でも成長するにつれて複雑な気持ちが入ってきて、といった過程を読みながら、それぞれとても懐かしい気持ちになりました。
私は、私と親友のどっちも、この物語と違ってちゃんと大人になれて、良かったなぁと思います(笑)
MAKO このお話の主人公たちって、いわゆる優等生ですよね。優等生ほど、このお話のようになりやすいと思います。
私が中学校の頃から仲良くしていた友だちに、勉強も出来て先生の評価も高くて、優秀で……っていう子がいたんですが、彼女、18歳ぐらいの時にドロップアウトしちゃいました。「私はずっとお母さんの期待に応えてきたけど、もう嫌だから辞める」って言って、大学にも行かなくなっちゃって。
私は最初、そんなふうに変わってしまった彼女を受け入れることが出来なかったんですよ。見た目も、性格も、行動も言うことも全部変わってしまって。私には別人のようにしか思えなくなって、距離を置くことにしたんです。
でもやっぱり、彼女が心を許すのって、昔の自分も、変わった自分も両方理解してくれる人で。
で、彼女の話を聞く内に思ったんです。私には彼女がすごく変わっちゃったように見えたけど、実はそうじゃなくって、ちょっと大人になっただけだったんだなぁって。だから今ではその、昔とは違う彼女を受け入れられるようになりました。……自分にすごく厳しいぶん、自分のことも傷つけてしまいやすいんだなぁってしみじみ思いました。
そんなことを思い出しました。
てらそま 高校生ぐらいの頃っていうのは、男も女も多感な時期だよね。自分がどこに行くのかが分からない、いわゆる青春って言われる時期だからこそ、友だちとの関係がこじれると、自分が何者か分からなくなったり、孤独になったりして、荒れる子もいる。
だから、その周りに、色んな意味で包んであげられる人間がいるっていうことが一番大事だと思う。学校だったら先生もそうだろうし、友だちもそう。でも大人になっても同じですよ。結局僕らの年齢になっても、やっぱり一人では生きていないなぁって、年齢を重ねるごとに痛感しますね。
だから自分も、人を支えられる人間になれれば嬉しいし、役者っていう仕事をやっていたら、そういう勇気も与えることもできるように思う。自分たちが何を演じているかを、一人一人感じて、表現していったら、きっと誰かがそれを聞いて、勇気をもらったりっていうことがあるかなと……そういう存在になっていきたいですね。

──竹達さんは?

竹達 うーん……、何かすごい偉そうなことを言っちゃいそうな気がします(笑)
MAKO あとで修正修正(笑)
竹達 そうですね……、私自身人見知りで、人に対してちょっと距離を置いてしまうところや、なかなか人に踏み込めないところがあるんです。
今回「私」を演じさせていただいて、人と人とのつながりっていいなぁと思ったり、子供の頃に仲良かった友だちのこととかを思い出したりしました。
私にも、色んな紆余曲折や、失敗を経験しての今があります。学校に行きたくない時期とか、声優を目指すっていう不安定な道に対して不安を感じたり、葛藤したりした時期もあったので、「私」の気持ちにとても共感をおぼえました。
なので、ドラマCDを聞いてくださった人には、「間違ってもいいんだよ」っていうことを伝えたいです。
色んな経験をして、間違ったり失敗したりして、ちょっとヘタレちゃう時もあると思うんですけど、それでも待っててくれる人や、そばにいてくれる人が必ずいて、絶対に一人じゃないから。臆病にならず、前に進んでいってほしいなと思いました。
……って私なんか偉そうなこと言っちゃってぇぇ!(と叫ぶ) 私、私がそんな……(立ち直り)
修正させてください。(女子笑)
吉田 落ち着いて落ち着いて(笑)
竹達 修正させてください……(一同笑)

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──では最後に、聞いていただく皆さんにひと言お願いします。

能登 きっと聴いて下さった方、それぞれ持たれる感想は様々だと思いますが、この物語の中の人物達をどこか近い距離感で聴いて頂けていたら良いなと思いました。
大木 何度も繰り返しお聴きになる事をお奨めします。
MAKO 友だちだったり家族だったりって、言い合えば簡単に済むことなのに、それが出来ないことってあると思います。ただの思いこみや被害妄想でも、日々過ぎていく小っちゃなことをきっかけにして、こじれてしまう時が沢山あると思うので……気になることがあったら、それで人を嫌いになったり勝手に思いこんだりしないで、もっとちゃんと話しあおうと思います。……思いますじゃなくって!
てらそま (笑)決意表明?(一同笑)
MAKO はい! あの、そんなことを感じ取ってもらえたら嬉しいなーと思った。皆さんのこれからが、何となく変われば嬉しいなーと思います!
竹達 さっき言ったことに似てしまうんですけど、このドラマCDを聞くと多分、皆さんも「あぁこういうことあったな」って思い出したり、懐かしさや切なさを感じたりしてもらえるんじゃないかなと思います。そういう懐かしさの中から、命の大切さというか、生きてるって素敵だなって……CDを聞いて、思ってもらえたらいいな。明日があるって素敵だなって思いながら聞いていただけたら嬉しいです。
あぁー、なんか上手く言えなかったよー(泣)! ごめんなさい、すいません……

──ありがとうございました!!

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