404号室 春日×こうめ~大正浪漫の華が咲く~ 共同WC 花×大家~アキバ系もののけメイドれぼりゅーしょん~
私は春日、女子高生やってます。あ、読み方は「はるか」ですよ。
オツボネ様とか呼ぶ人はココロの底で瞬殺する、たぶんフツーの女子高生です。
おとーさんおかーさんには内緒ですが、私、漫画家デビューを目指して日夜努力中。そしたらこのたび両親とも海外赴任なんてことになって、高校の理事局から紹介された「ふしぎ荘」で、華の一人暮らしを始めることに!
これで心おきなく創作活動に打ちこめちゃうもんねっ♪ と喜んだのもつかの間……
あのぅ、大家さん! じゃなくて管理人さん!! じゃなくってカミサマ!!! 私の入居する部屋に誰かいるんですが……
大学の卒業式みたいな袴に編み上げブーツ姿の、ハイカラさんばりにヘンテコな女の子がいちゃったりするんですが!!
え……「私は何も知らない」??? そんなばかな!
じゃあ、今まさに私の目の前で、
「あれは大正二年の春……」
とか言ってコイバナなんか始めちゃってる、この「こうめ」って人はいったいダレなの──っ!?
トイレの掃除は妖怪におまかせ!! トイレ専門クリーニング、もののけサービスから派遣されました花です!
えっ、トイレの花子さん? 違います! わたしは花子さんじゃな……えぇ──っ、まさかの門前払い!? 話ぐらいさせてくださ──い!!
わたし、花。気は優しくて力持ち……な妖怪。トイレをピカピカに磨き上げるのが、三度のご飯よりも大好きなもののけです。
親元離れて派遣怪員になれたところまでは順風満帆だったのですが、飛びこみ営業する先々でトイレの花子さんと勘違いされて、入社以来私の売上げはゼロのまま……
あわや追い出し部屋に飛ばされてしまうところで、偶然めぐり会ったのが、男子禁制の女子寮「ふしぎ荘」のカミサマでした。
以来、私は「ふしぎ荘」に住みこみで、共同トイレのお掃除をすることになったのです♪
けれどもある夜、トイレのお掃除をしていたら、3番目の個室から不思議な声が響いてきて……
いやーん、こんな夜ふけに誰? 花、怖いですぅ!!